枕経
いつもは住職が必ず参る枕経なのですが、住職が病院で検査中でいつ終わるかわからない、ということで私が伺うこととなりました。
実は私、枕経は僧侶になってから2回目。
初めて伺ったのはもう10年以上前。
亡くなったご家族を思うと何を言葉を発することができず、ほとんど何も話すことができずお勤めだけして帰ってきてしまった記憶が蘇ります。そのお檀家さまには未だに「あの時、なんも話してくれんかったなぁ」と言われてしまうくらい、何もできなかった、話せなかった・・・・・
そんなことがあってから枕経は住職に必ず参ってもらっていたのですが、今回ばかりは「住職が戻るまでお待ち下さい」と言うわけにもいかず、私が参らせてもらいました。
ご自宅にお伺いし、ご挨拶をし、お顔を拝見する。
そのお顔を拝見した時、「あんたで良かった、よう勉強しときなさいよ」と言われているような(故人の性格からも)気がしてとても落ち着いてお話することができました。
そもそも枕経とは、ご家族との思い出話、ご家族からみての故人さまのお姿、通夜葬儀の段取り、、、、、
通夜葬儀しか参っていなかった私には、いままでこんなにいろいろお話する時間がなかった。
枕経をお勤めすることで、ご家族とお話できるとても貴重な時間を頂戴することができました。
平素、お月参りでお話する内容とはまったく違いますし。
以前、先輩僧侶に教えてもらいました。
「枕経は大事に大切にお勤めしてこなきゃいかんよ。一番ご家族の心と接することができるんだから」
そう教えてもらったことを私なりにお勤めしてきました。
これから幾度となく枕経を参ることがありましょう。
けれども、この気持ちを忘れず、お参りしていきたいと思います。
南無阿弥陀仏
Category: 寺仕事
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